黒人リズム感の秘密    郁朋社刊 七類誠一郎(トニーティー)著

スポーツジャーナリスト 青島 健太

 初めてトニーティーさんに会った時のことは、今でも鮮明に覚えている。その踊り、その話は、まさに目からウロコ。それは今まで解らなかった優れたアスリートたちの動きの謎を、解き明かしてくれる素晴らしい話だった。
 中でも印象に残っているのが、ハトの首の話。それは本書の中にもあるが、すべての動きの理想が、ハトの動きの中にあるというものだった。
 なんとすごい着眼。なんと愉快な発想。
 本書は決してダンスの教本だけに終わるものではない。あらゆるスポーツを含む理想的な人間の動きそのものを解明する画期的なものである。
 

秋元 康(作家・プロデューサー)

 僕はダンスが踊れない。
この本を読んでいると、そんな僕もダンスを踊りたくなってくる。
TONY TEEのダンスにかける情熱がそうさせるのだろう。
『黒人リズム感の秘密』は、本能を目覚めさせるRAPである。
 

放送作家 吉野晃章

 たとえ心臓を撃ち抜かれたとしても「大和魂」というハートを鼓動させ、ダンスという芸術を持ってアメリカに立ち向かった男の姿がここに存在する
 

横浜市立大学理学部運動・スポーツ科学教室 
助教授 野坂 和則

 エネルギーに溢れる本だ。七類氏が優れたダンサーであり、ダンス指導者であることはいうまでもないが、この本には彼の科学者としての鋭さと、指導者としての暖かさ、そしてトニーティー = 七類誠一郎の人間的魅力がつまっている。自伝的に紹介されている七類氏の現在までの歩みは読んでいてとても楽しい。七類氏がダンサーとして感じていたもの、なんとなくつかんできたものを「パルスリズム理論」としてまとめあげていく過程は見事である。「先天的なもの」として考えることが多かった黒人リズム感を、苦労して後天的に習得した彼だからこそ辿り着けた理論である。そして黒人リズム感を体得する方法を惜しげもなく、わかりやすく教えてくれる。トレーニング、それもやろうと思えば誰にでもできるトレーニングでだれもが身につけることが可能だというのである。何と画期的なことではないか。それにしても「ワールド・ピース・スルー・ダンス」がスローガンだという七類氏は、なんとスケールの大きい人なんだろう。
 私は、運動生理学を専門としているが、彼の提唱する「パルスリズム理論」には大きな可能性を感じる。七類氏も指摘しているように、多くのスポーツにとって「リズム」は非常に重要であるが今までそのトレーニング方法については、ほとんど目をむけられてこなかった。彼の提唱する7つのインターロックが、近い将来スポーツトレーニングにおいて注目を集めることは間違いない。きっと七類氏の方法で黒人リズム感を体得した日本人選手が世界の舞台で活躍することになるだろう。リズムのトレーニングさらには、リズムの教育をわかりやすく、普遍的なものとして位置づけたこの本は、ダンス関係者はもとより音楽関係者、すべてのスポーツ関係者、教育関係者の必読書となるであろう。七類氏のエネルギーに感謝すると共に、今後の益々の活躍を期待したい。
黒人リズム
日本母性保護産婦人科医会代議員会議長 
医学博士 岩永邦喜

 「自分の意図するところは日本のダンスシーンをメジャーとすることに尽きる。そのためには自分がダンス界の革命志士となる」と宣言し、七類誠一郎は自らが体得した黒人リズム感の秘密を裏付けし理論づけるために、本場での勉強を希望して徒手空拳渡米した。
 いま彼の[黒人リズム感の秘密]を手にして、私は彼のたゆむことなき研鑽と努力、加えるに不屈の闘志と類い稀なる資質を強く感じる。
 そして彼は[ダンスが上手くなるために考案したパルスリズム理論]がリズム教育・学校教育・障害児教育・社会教育・スポーツ・フィットネス・医療リハビリテーション・音楽・芸能などの分野へ広く応用されることを強く提言しマタニティーの分野にまでその理論を押し進めてくれたことに心から感謝する。
 そしてパルスリズム理論から生み出されたマタニティーインターロックが、近い将来、必ずや斯界の主流を占め、21世紀を担う生命の誕生に大いに貢献することを信じて疑わない。   


大谷女子短期大学 専任講師/(株)エー・ジー先端技術顧問 
川田 隆雄

 舞踏の起源は、人類が他の類人猿から分離したときに始まると言われる。つまり、人類史の最初の時点から人間は舞踏というものを本能的に保持していたということになる。狩猟舞踏、戦闘舞踏、武器舞踏、祈祷舞踏、魔法舞踏、性の舞踏など、原始的社会に共通して見られる舞踏の社会的意味は、長い年月をかけて、多様なものに変化してきた。有史になり、舞踏は娯楽性をおび、そして、近代に至っては芸術の領域に入ってきた。現在、舞踏を持たない民族は世界にはない。
 しかし、舞踏の多様な広がりとはうらはらに、舞踏の科学的理論化は殆ど世の中にない。そのような状況の中、今回出版された七類誠一郎(a.k.a Tony Tee)著の「黒人リズム感の秘密」は、いろいろな意味でエポックメイキングである。まず、現代の舞踏でもっとも人気があり商業的価値の高い、「ファンク系ダンス」の世界で最初の解説書であり、教授メソッドであること。第2に黒人のダンスの理論化という、本場アメリカでは社会的理由からさまざまな困難が想像されるトピックスを日本人である七類氏が行ったこと。そして、第3に、日本のダンス技術向上の目的のみならず、運動生理学の視点から、スポーツ全体への波及を念頭に置いているところである。
 本書は理論的な妥当性が高い上に、七類氏の「挑戦の人生」の自叙伝でもあり、日本の若者に対するメッセージもふんだんに盛り込まれている。自信を無くしている、日本社会の覚醒を促すものであり、そういう意味でも時宜を得たものとなっている。日本のダンスを志す若者や、また、新たなメソッドを開拓しようとする運動関係者にとってこの本がパラダイムシフトを起こすシーズとなることを確信する。    
※履歴は1999年時点のものです。御了承ください。